ワシントン・ナショナル・ギャラリー展にて(日傘の女)

ワシントン・ナショナル・ギャラリー展の感想文・続きです。



日傘の女

*ポストカードより


「第二章 印象派」は、モネの作品から始まります。

駅中で見かける広告などの事前情報で、マネの「鉄道」やゴッホの「自画像」、メアリー・カサットの「青い肘かけ椅子の少女」が展示されていることは知っていましたが、モネの「日傘の女」があることは、会場に来て初めて知りました。思いがけずこの作品が見られただけで、私はこの美術展に来たかいがあったと思いました。


モネの「日傘の女」は、全部で3枚あるとされています。

そのうち2枚は、パリ「オルセー美術館」に所蔵されています。残りの一枚が、ワシントン・ナショナル・ギャラリーの所蔵です。

*参考記事 → メルシーパリ.ネット「絵のはなし 日傘の女


オルセー版の「日傘の女」のうち、最近では昨年5月の「オルセー美術館展」で、右向きのものが出品されていました。さらにその前では、2007年の「モネ大回顧展」でも同じく右向きのものが日本にやってきています。


そのためか、「日傘の女」自体があまり珍しくはないという印象になっていて、むしろ、しょっちゅう来日しているようにさえ思えますが、このワシントン・ナショナル・ギャラリー版については、私が実際に本物を見るのは今回が初めてでした。

ワシントン版は、オルセー美術館にある2枚よりも女性の顔が明確に描かれていること、後ろに息子・ジャンが描かれていることが特徴です。



印象派絵画ならでは、と言ってよいと思いますが、近くでみると、タッチの大きさが目につきます。「オルセー版より顔が明確」と上に書きましたが、その目鼻も、ほとんど適当に描いたかのような粗めの筆運び。全体的にざっくりとした印象です。


しかし、5~7mほど離れると、あら不思議。
なめらか で やわらかい、優しい絵画だと分かります。
適度に離れた瞬間に、生命が宿るかのように生き生きと輝き出すのです。

雲は日光を受けて眩しく輝き、それ自体が発光しているよう。
風をうけるドレスの裾の、ハタハタという小さな音が聞こえてきます。
夫人の影は草に落ち、つややかな濃い緑色を見せています。

実際に描いているモネの手元は、大きなタッチで埋まっていったはずなのに、仕上がりは繊細。一体どうしてこうなるのか、一度モネに聞いてみたいものです。



以上のような鑑賞を楽しむには、ある程度会場がすいている必要があります。
過度に混雑した美術館では、近くで見たり離れて見たりということが困難です。

この美術展が始まってから、早くも2週間が経とうとしています。私が見に行った初日(6月8日)よりは、だいぶ認知度も上がって、混雑してきているのはないでしょうか。

興味のある方は、お早めに~!

*ワシントンナショナルギャラリー展 公式ホームページ


*パリのオルセー美術館にて撮影。この時は2枚揃ってました。
 
日傘の女(パリ)



メルシーパリ.ネット 絵のはなし


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